「サイレントナイト」という名前のスノーグローブです。雪の中、外灯が、訪れる人を待っているだけです。時に、誰かがガラスを振ると、ひどい吹雪がこの世界を真っ白に塗り替えてしまいますが、音のない嵐のあとには、また何ごともなかったような冬の夜。スノーグローブらしいスノーグローブ、実はもうひとつの名前があります。それは
Obarndorf Chapele=オーベルンドルフ教会。実は「サイレントナイト」とは、みんなが知っているあの「きよしこの夜」の歌のこと。そしてこの建物こそ、この曲の記念礼拝堂、オーストリアのオーベルンドルフ村のサイレントナイト・チャペルだったのです。1818年、この村のセントニコラス教会でヨーゼフ・モーア助任司祭が作詞、教師のフランツ・グルーバーが作曲してクリスマス・イブに歌われたのが「きよしこの夜」。19世紀末には「教師と牧師が作りぬ」と飾り版にも記されたといいます。後にこのチャペルが建てられ、今ではこの曲の故郷を訪ねて世界中の人が集まるようになりました。毎年イブの夜、夕方5時、ここで「サイレントナイト」のミサが行われ、集まった人々が合唱に加わります。そのままでは分からないけれど、手にとればいろんなものが見えてくる、これがスノーグローブ。今晩、星を便りにここにやって来るのはどんな人でしょう? 高さ12cm、グローブ直径80mm。
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